最近多くのサイトで著作権のことを考える書き込みが増えています。いいことです。
意地悪なことを言えば、プロの演奏家が講師として呼ばれているバンドで、講師自ら違法コピーをしていないかまで
調べれば面白いのですが。
さてさて、仮定の話です。
プロの作曲家が、違法コピーに対して無神経な吹奏楽界の風潮に嫌気がさし、作曲をするのを辞めてしまいました。
くだらない曲しか作れない人であれば「負け犬の遠吠え」としか反応がなかったでしょうが、イイ曲を作るとの評判の
人でしたので、多くの吹奏楽関係者はがっかりしてしまいました。無理もないよなぁ、と。
私自身、吹奏楽の世界に足をつっこんでいる者ですので、その作曲家の気持ちもがっかりする人の気持ちも解ってしまいます。
しかし、実はその気持ちこそが、吹奏楽が関係者だけを相手にした、社会からかけ離れたモノにしているものだという指摘は、
見かけません。
なぜならば、吹奏楽に全く関係のない人にこの作曲家の言動を伝えたら、こう思うからです。
「なるほど、使用者の立場ではなく、作り手の立場から著作権を否定するわけだ」
少なくとも日本では(世界は知らない)、お金を稼ぐための常識がありました。
1.悪いことをせずに(法を守って)こつこつ働く。
2.悪いことをして(法を破って)お金を稼ぐ。
3.法を作ってお金を稼ぐ。
人様から恵んでいただく、というのは「稼ぐ」に当たるかどうか微妙ですが、積極的な行動をしないという点で省きます。
そして1970年代中頃だっけな?サラリーマン金融規制法が作られて以来、新しい考え方が生まれます。つまり、
4.法を使ってお金を稼ぐ、です。
件の作曲家の言い分だと私が思うのは、違法コピーの風潮に対する断筆宣言であり、
著作権そのものを否定するつもりはさらさらないでしょう。
しかし、吹奏楽の外の社会では、自分が悪いことさえしなければ黙っていても法律が守ってくれるという時代では
なくなっています。抑止力にはなっていますが。
自分の権利や財産を侵害されたとき、法を行使して自分で守らなければならない。
しかし件の作曲家のこの言動は、自分自身が黙っていても違法コピーを取り締まってくれない法律ならば、最初からあてにしない。です。
自分自身で違法演奏をする団体に警告状を送り、返事がなければ裁判を起こすなり、外部組織に委託して著作権使用量を取り立てる
などの行動をとらなければ、「法を使ってお金を稼いでいる」人達がどう思うか。
「勝手にすれば?」
かくて違法行為は増長され、吹奏楽界はどんどん荒れ果てた場所へとなっていく。